夏祭りや花火大会など、夏のイベントで浴衣を着てみたいけど、「着付けが難しそう」「一人では着られない」と諦めていた方はいませんか? 実は、浴衣の着付けは基本的な手順を覚えれば誰でも一人で美しく着ることができます。
この記事では、浴衣着付けの全工程を分かりやすく段階別に説明しているので、初めての方でも安心して取り組めます。今年の夏は、ぜひ自分で着付けた浴衣で素敵な思い出を作ってください!!
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目次
はじめに:浴衣美人への第一歩
夏の風物詩といえば、やはり浴衣姿ですよね。祭りの賑わいの中を歩く人たちの色とりどりの浴衣、花火大会で夜空を見上げる美しいシルエット。そんな光景を見るたびに「私も浴衣を着てみたい」と憧れを抱く方は多いのではないでしょうか。
しかし、いざ浴衣を着ようと思っても「着付けって難しそう」「着崩れしたらどうしよう」「美容院に行かないと無理かな」と不安に感じて、結局諦めてしまった経験はありませんか?
実は、浴衣の着付けは思っているよりもずっと簡単です。基本の手順とコツさえ覚えてしまえば、誰でも自分一人で美しい浴衣姿になることができるのです。
この記事では、初心者の方でも迷わず着付けができるよう、必要な道具から具体的な手順まで、写真付きで詳しく解説していきます。専門用語も丁寧に説明しているので、着付けが全く初めての方でも安心してお読みいただけます。
今年の夏こそ、自分で着付けた浴衣で特別な一日を過ごしてみませんか?きっと新しい自分に出会えるはずです。
1. 浴衣着付けの基本
この解説では、浴衣着付けの全工程を分かりやすく段階別に説明しています。
「裾線決め(すそせんぎめ。浴衣の裾の長さを決めること)」「上前・下前の合わせ(うわまえ・したまえのあわせ。浴衣の前身頃を重ね合わせること)」「おはしょり整理(おはしょりせいり。浴衣の長さを調整し、腰の部分で折り返す部分を整えること)」など、聞き慣れない専門用語も丁寧に解説しているので、初めての方でも安心して取り組めます。
何度か練習を重ねることで、必ず美しい浴衣姿になれるはずです。今年の夏は、ぜひ自分で着付けた浴衣で素敵な思い出を作ってみませんか?
もし分かりにくいところがあれば、下段にある着付けの動画を見ながら何度でも試してみてください。
2. 着付けに必要なもの
浴衣の着付けを始める前に、以下のアイテムを準備しましょう。
- 浴衣
- 帯
- 浴衣下(肌着)
- 腰紐(こしひも。浴衣を着付ける際に使う紐)洋服用のキャミソールやペチコートでも可
- 補正用タオル(ほせいようタオル。体型に合わせてタオルで調整すること)
- 洗濯バサミ
- 下駄
3. 着付けの手順
3-1. 補正
ウエスト周りのくぼみが多い場合は、タオルで補正を行います。きれいなシルエットを作るための大切な工程です。
3-2. 裾線決め
両襟先(えりさき。襟の先端部分)の少し上あたりと背縫い(せぬい。背中の中心にある縫い目)を持って浴衣を上げ、裾線(すそせん。浴衣の一番下の部分)を決めます。かかとが少し見えるくらいの長さに調整するのが理想的です。

3-3. 上前・下前の合わせ
「上前(うわまえ。右側の前身頃)」を体の幅に合うように脇で決め、余りは右手で下前(したまえ。左側の前身頃)の方に引き寄せます。「上前」を広げ、下前を身体に沿わせながら、「つま先(つまさき。浴衣の裾の前側の端部分)」を7〜8cmくらい上げます。余った布は脇から手前に折り畳むようにして処理します。
その後、「上前」を合わせながら「つま先」を3〜4cmくらいに調整します。



3-4. 腰紐締め
腰紐を左手で取り、短い方を右手に渡してウエストの位置に当てます。後ろで腰紐を交差させて左右に引いて締め、前に回して左寄りで片花結びまたは蝶結びにします。


3-5. 裾の確認・調整
左手で「上前」を開いて「下前」の裾の長さと「つま先」上がりを確認します。「下前」が下がっている場合は、ふところ(着物の前身頃の内側)から手を入れて引き上げましょう。
「上前」の裾の長さと「つま先」上がりも確認し、「衿先(えりさき。襟の先端部分)」を整えます。裾線は「下前」と「上前」の交差位置をしっかりと確認してください。

3-6. おはしょり整理
「身八口(みやつぐち。着物の脇の開いた部分)」から背中へ両手を入れ、後ろの「おはしょり」を整理します。左手で「下前」の衿、右手で「上前」の衿を持ち、左右に引いて「身巾(みはば。着物の幅)」を合わせます。前の「おはしょり」も同様に整えておきましょう。


3-7. 衣紋抜き
「共衿(ともえり。浴衣の襟のこと)」と「背縫い」を持ち、「衣紋(えもん。首の後ろ側の襟の部分)」抜きを行います。こぶし横一つ分くらい開けるのが目安です。

3-8. 衿合わせ
「下前」の方から衿を合わせていきますが、喉のくぼみあたりを通すように意識します。「おはしょり」をすっきりさせるため、胸下あたりで内側に折り上げます。
右脇で「上前」の「おはしょり」丈と同じになるように斜めに整え、「上前」の衿を合わせます。

3-9. 胸紐締め
右手で胸下をおさえ、左手で胸紐を取り、短い方を右手に渡します。胸元をおさえながら胸紐を後ろで交差させて締め、前に回して片花結びまたは蝶結びにします。

3-10. 最終調整
「背縫い」が曲がらないように押さえ、胸紐の下に指を入れてシワを両脇に寄せます。前のおはしょりを整えます。



4. チェックポイント
正面のチェック項目
- 衿の合わせ具合は適切ですか?
- おくみ線(おくみせん。浴衣の前身頃の端のライン)はまっすぐ通っていますか?
- 上前幅は脇に合っていますか?
- つま先は上がっていますか?
- 裾はくるぶしくらいの長さになっていますか?

背面のチェック項目
- 衣紋の抜き具合は適切ですか?
- 背中にシワはありませんか?
これで浴衣の着付けが完成です。慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、何度か練習すれば必ず上手に着られるようになります。

まとめ:今年の夏は浴衣で楽しもう!
浴衣の着付けについて解説してきましたが、いかがでしょうか。一見難しそうに思える浴衣の着付けも、一つ一つの手順を丁寧に確認していけば、ご自身でもきっと美しく着こなせるはずです。今年の夏は、ぜひ浴衣を着て、特別な思い出を作ってみてください。


監修/中山 弘子 鈴乃屋きもの学院 学院長
全国の教室で着付け指導にあたる。TV,CM,カレンダー・ポスター撮影,きものショーなどで着付師としても活躍。
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